マインドフル・ゲージとは?

私が住んでいる兵庫県宍粟市では、この時期は寒暖の差が激しく、寒い日には雪が降ることもありますが、暖かい日にはウグイスの声が聞こえてきます。

旧暦では立春の黄鶯見皖(ウグイスが鳴き始める頃)にあたり、春の始まりの時節とされてますが、まさに暦通りに春の兆しを実感しています。

私は今年で53歳になります。昨年秋より膝の調子があまり良くなく、腰や背筋の筋肉のハリが抜けにくく、身体の動きに制限がかかる要因が増えています。

長時間の肉体労働(草刈など)長時間の静止姿勢(坐禅や正座など)に耐え得る筋力や柔軟性が落ちていて、無理をするとすぐに調子が崩れてしまいます。

身体的限度を超えてしまう失敗と学習を繰り返して、最近では、身体に出来るだけ負担がかからないように、ゆったりとした動きをするようになってきています。

また時折、地元の温泉に行ってのんびり時間を過ごすこともあります。

ところで、「マインドフル・ゲージ」という言葉を聞かれたことがあるでしょうか? トラウマ専門家であるBabette Rothschildが提示している概念です。 マインドフルは「気づきがある」ゲージは「計器」を意味しています。

「マインドフル・ゲージ」とは、心身の状態を自己調整するバロメーターとして、身体感覚・行動・気分・感情・思考・イメージなどに注意を払うという概念です。

自分の中で起きている内的感覚に注意を払うことで、自動反応の傾向を知ることができ、身体的もしくは心理的な不調に陥るのを未然に防ぐことができます。

例えば、ある女性は、呼吸の深さ浅さがゲージ(バロメーター)として有効だといいます。 毎朝のように夫が「一緒に散歩に行くか?」と尋ねるのですが、そんな時に彼女は呼吸に注意を向けます。

胸が開いていて呼吸しやすいと感じる時は、散歩が身体に合ってる。胸が締め付けられる感じがある時は、散歩が身体に合わない。と判断できるそうです。

私の場合は、身体感覚(特に膝・腰・肩)をゲージ(バロメーター)にして、行動の強弱を判断しています。 ウォーキングに行くタイミングや瞑想の時間の長さなど決める時は、軽くストレッチをして膝や腰や肩の痛みや張り具合などの反応を見ながら判断します。

このような判断をする際(私の場合は)気分はあまり当てにできません。その時の気分で行動を選択すると適切なタイミングや力の入れ具合を見誤ることがあります。

あなたはいかがでしょうか?あなたのマインドフル・ゲージ(健康のバロメーター)はどこにあるでしょうか? 心身の状態を安定して見極めるために、ご自身の身体の中で何が起きているのか探究してみてはいかがでしょうか?

◆執筆者プロフィール◆

井上寛照
医王山安養寺住職
高野山真言宗少僧正
日本心理学会認定心理士
サイモントン療法協会認定スーパバイザー
IMA認定 MBSR (Mindfulness-Based Stress Reduction) Teacher

☆癒しの時間☆
・飼い猫と戯れる
・コーヒー&スイーツを味わう
・近くの露天温泉でほっこりする
・最近手に入れた法螺貝と格闘する
・安養寺紅葉山の日々の変化に気づく

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