井上寛照
医王山安養寺住職
高野山真言宗少僧正
サイモントン療法認定スーパーバイザー
MBSR Teacher (certified by the IMA)
Trauma-sensitive Mindfulness Teacher

父方の祖父と父は真言宗僧侶、母方の祖父は曹洞宗僧侶であり、寺院後継者として幼少の頃より育てられました。21才で真言宗僧侶となるものの、私自身の立ち位置がつかみきれず、20代の頃には職を転々としました。

自分の進む道を試行錯誤する中で、地元の要望に応じて安養寺寺子屋を開設し、学習指導(英語・算数・数学・小論文)を始めました。江戸時代から続いてきた寺子屋をリニューアルしたものですが、好評を得て20年以上続けることが出来ました。
 
一方で、不登校、虐待、不安障害、うつ病などの心理相談を受けることが多くなり、またご縁があり公立八鹿病院緩和ケア病棟で心のケアに携わるようになりました。当時は、傾聴と臨床瞑想に徹していました。

しかし、ある時期より傾聴と臨床瞑想だけでは不十分に思えて、生きる希望を育める心理的アプローチを身につけたくなり、がん患者さんやご家族のために開発された米国発祥の心理療法サイモントン療法を学び始めました。

同療法の学びを通してそれまで抱えていた疑問点が氷解し、何より私自身の心と身体が安定感を増していきました。その後、2012年に認定カウンセラー、2017年に認定スーパバイザーとなり、がん患者専門の心理療法家として活動するようになりました。

サイモントン療法は認知行動療法とイメージ療法を核に構成されてますが、2014年頃より第三世代の認知行動療法と位置づけられているマインドフルネス瞑想(気づきの瞑想)を本格的に取り入れるようになりました。

マインドフルネス瞑想は、仏陀(釈尊)より伝わる経典である『アーナパーナサティ・スッタ~呼吸による気づきの経典~』や『サティパッターナ・スッタ~四念処経~』を原典として、科学的な知見を積み重ねて再構成されたものです。

そこで、その先駆者であるの一人であるティック・ナット・ハン禅師の率いる Plum Village Thailand が開催するリトリートや瞑想会に参加するなどマインドフルネス瞑想を実践し、私自身の瞑想法に取り入れていきました。

続いて、マインドフルネス瞑想のもう一人の先駆者である ジョン・カバットジン博士が開発したMBSR(マインドフルネスストレス低減法)とご縁があり、International Mindfulness Center JapanのMBSR講師養成一期生として学び、2022年に MBSR Teacher (certified by the IMA) を取得しました。

また、2023年にはデイビッド・A・トレリーヴェン博士により開発された TSM(トラウマに配慮したマインドフルネス)の13ヵ月にわたるトレーニングを修了し、トラウマに配慮したマインドフルネスの指導技術を身につけました。

2024年現在も、MBSR Advanced Teacher の審査に向けて自己研鑽を重ねるなど、参加者により安心して瞑想を実践していただける場を提供できるように取り組んでおります。